用語ベース - エントリの内部
用語ベースエントリの見方
memoQでは、1 つの用語ベースエントリは 1 つのオブジェクトまたはコンセプトに対応します。エントリには、このオブジェクトまたはコンセプトの名前が含まれています - これらの名前が用語です。用語ベースエントリには、複数の言語の用語が含まれます。各言語では、複数の用語を割り当てることができます。つまり、同じオブジェクトまたはコンセプトに複数の名前を付けることができます。一例をあげます:
エントリ | 言語 | 用語 |
---|---|---|
ID 0(用語ベースエントリのデータベース) |
英語 |
|
termbase |
||
ドイツ語 |
Terminologiedatenbank |
|
ハンガリー語 |
terminológiai adatbázis |
|
terminus-adatbázis |
要約すると、用語ベースエントリは 3 段階の構造になっています。
- エントリ
- 言語または言語バージョン
- 用語
プロパティ:単語よりも多くの意味を持つ用語ベースエントリ
用語ベースは、ソース言語の単語や表現と、ターゲット言語のそれらを単にまとめたものではありません。用語ベースエントリを見ると、それが表すオブジェクトやコンセプトについて多くのことが分かります。また、このエントリを表す各用語についても多くを学べます。
これらは、エントリのプロパティです。プロパティは、エントリレベルおよび用語レベルで設定できます。
- エントリレベルのプロパティはオブジェクトやコンセプトに関するものであり、エントリを元のプロジェクト、クライアント、またはサブジェクトフィールドなどの広いコンセプトで理解できます。
- 用語レベルプロパティは通常は特定の用語の言語上のプロパティを指定します。
エントリィレベルプロパティ
エントリに対して次の個々のプロパティを利用できます。
- ID:このフィールドには、用語ベースのエントリの一意のIDが表示されます。ID を変更することはできません。
- メモ:エントリに関するメモ。例えば、用語のソースへの参照を記述することができます。
- プロジェクト:このフィールドには、エントリが作成された翻訳プロジェクトが表示されます。
- ドメイン:用語ベースエントリのドメインです。ドメインは、対象領域を明確に言い表したものです。
- 作成者:このフィールドには、エントリを作成したユーザーの名前が表示されます。
- 更新者:エントリの作成者または最後にエントリを修正したユーザーの名前が表示されます。エントリを修正すると、[作成者]フィールドには別の名前が表示されます。
- クライアント:このフィールドは、用語ベースがどのクライアントに対して作成されたのかを表示します。
- サブジェクト(S):用語ベースエントリの対象領域の説明を入力します。
- 作成日:エントリの作成日時が表示されます。
- 更新日:エントリの作成日時または最終変更日時が表示されます。エントリを修正すると、作成日フィールドには別の日時が表示されます。
注意:作成日、更新日、ID、作成者、更新者は自動的に更新されますが、サブジェクト、ドメイン、メモは、それぞれ対応するフィールドで変更できます。
重要:プロジェクト、ドメイン、サブジェクト(S)、クライアントの各プロパティは、プロジェクト内で用語ベースエントリを編集している場合(例えば、翻訳グリッドから新しい用語を追加する場合)、そのプロジェクトから引き継がれます。引き継ぎとは、プロジェクトの詳細情報を基にしてmemoQがこれらのフィールドを入力することを示しますが、これらのフィールドは後でユーザーが変更できます。
- イメージ:用語ベースエントリのイメージによる説明。例えば、エントリによって表されるオブジェクトの画像を登録できます。
関連項目:用語ベースエントリのエントリレベルメタ情報の追加および編集の詳細については、次のトピックを参照してください:用語ベースエントリの編集、新しい用語ペアの追加
言語レベルプロパティ
用語ベースエントリ内のそれぞれの言語に属し、エントリ全体や特定の用語には属さないプロパティがあります。これは、エントリの定義です。言語ごとに1つの定義を追加できます。
この制約は、各エントリが1つのオブジェクトまたはコンセプトを表すという原則に従っています。つまり、1つのオブジェクト(1つの用語ベースエントリ)に対する2つの異なる用語には異なる定義を設定できません。異なる定義を設定すると、2つの用語が同じオブジェクトまたはコンセプトに属すると言えないからです。一方、定義はテキストのため、特定の言語で記述する必要があります。このため、エントリ構造上は、エントリの各言語に対して1つの定義を設定できるようになっています。
用語レベルプロパティ
用語ベースエントリの各用語には、さまざまな用語レベルプロパティを設定できます。
用語レベルプロパティには2種類あります。
- 用語を検索する際のmemoQの動作を指定するプロパティ。これらのプロパティは、特定の用語が発見される条件および発見されない条件を決定します。
- 各用語の言語上の特徴に関する情報を指定するプロパティ。
用語の検索や一致を設定するプロパティ
各用語には、接頭辞の一致や大文字と小文字の区別に関するプロパティを設定できます。さらに、各用語には「使用不可」フラグの設定もできます。
一致:
- あいまい一致:この値を使用して、接頭辞または接尾辞の一致に関係なくヒットを取得します。例えば、ドイツ語の場合、用語ベースに「Mutter」があります。あいまい一致設定では、「Mütter」も見つけてくれます。ドイツ語には「Festplattenspeicherplatz」のような複合語がたくさんあります。用語ベースに「Festplatte」と「speicher」が含まれている場合、「Festplattenspeicherplatz」という単語を含むソースセルで強調表示されます。
- 50% 接頭辞:選択した用語ベースエントリに適用する接頭辞の一致率を「甘く」設定するには、この値を使用します。これがデフォルト設定です。たとえば、「project」の場合、projectとprojectsの両方が検索されますが、project-specificは検索されません。
- 完全一致:この値を使用して、選択した用語ベースエントリの接頭辞一致感度を非感度に設定します。たとえば、「project」の場合、projectは検索されますが、projectsやproject-specificは検索されません。
- カスタム:用語ベースでワイルドカードの使用を許可するには、このオプションを選択します。パイプ記号 (|) で単語内の可変部分の始まりを指定したり、アスタリスク(*)で任意の文字列を指定することができます。たとえば、Wassert|urmという用語の場合、WasserturmやWassertürmeは検索されますが、Wasserschutzは検索されません。パイプ記号やアスタリスクを使用して複数の単語を入力することができます。たとえば、bankovn|í operac|eはbankovních operacíやbankovními operacemiとも一致します。
重要:どのような設定でも、memoQは選択した用語ベースエントリが表現の最初にない(つまり表現の接頭辞でない)場合は、一致とはみなしません。
大文字と小文字を区別:
- はい:この値を選択すると、選択した用語ベースエントリでは大文字と小文字が区別されます。用語には小文字と大文字、もしくはその両方を含めることができます。登録されているのと全く同じ単語が全く同じ表示(大文字、小文字)でソース文書にある場合にのみ、翻訳結果として表示されます。たとえば、Willという名前の用語ベースエントリを作成する際に、未来形で記述されたすべてのセグメントの翻訳結果に表示させたくない場合は、大文字と小文字の区別をはいに設定すると良いでしょう。
- 甘い:memoQは大文字のみに反応します。用語の中の大文字は、テキストの中でも大文字でなければならず、そうでなければmemoQはマッチを返しません。一方、用語中の小文字は、大文字または小文字で照合され、memoQはそこでは敏感ではありません。たとえば、用語ベースに「ALPAC」という用語が含まれている場合、テキストにも「ALPAC」が含まれていなければマッチしません。しかし、用語ベースに「Alpac」という用語が含まれている場合、テキストは「ALPAC」、「Alpac」、「AlPac」など、頭文字のAが大文字であればマッチします:つまり「alpac」はマッチしません。
- いいえ:選択した用語ベースエントリで大文字と小文字を区別しないようにするには、この値を選択します。ソース文書にある用語の入力方法に関わらず、翻訳結果には小文字、大文字またはその両方で記述された同じ用語が表示されます。この設定では、大文字、小文字の区別は関係ありません。
使用できない用語:用語を「使用不可」に設定できます。使用できない用語は、すべきではない翻訳の仕方を表します。ターゲット言語の用語をエントリに追加して、使用できない用語として設定するのが適切な使い方です。ソース用語が使用できない用語に設定されている場合には、翻訳結果ペインで表示されません。ターゲット用語が使用できない用語に設定されている場合には、翻訳結果ペインで黒色で表示されます。使用できない用語の使用は自動的にチェックされます。
情報プロパティ
- 例:用語の使用例を表示するには、このフィールドを使用します。通常は、この用語を含むフレーズや文を入力します。
- 品詞:用語が名詞、形容詞、副詞、動詞または他の品詞に属することを表せます。
- 性別:用語が男性語、女性語またはどちらでも可能であることを表せます。
- 数字:用語が単数か複数かを表せます。