用語ベース

用語ベースは、単語または表現の複数言語の言語ペアを含むデータベースです。翻訳中、用語ベースを翻訳作業に関する用語(単語や表現)にアクセスできる用語集のような目的で使用します。

用語ベースは、翻訳の統一性を維持し、特定の用語を使用したプロジェクトの翻訳を効率的に行うために使用します。通常、用語ベースには、特定の翻訳ジョブにおいて翻訳すべき単語や表現が含まれています。

翻訳プロジェクトに関しては、用語ベースは役立つ情報元以上のものです。実際に、翻訳の指示の一部で、複数の翻訳者で作業するプロジェクトの場合には、特に重要です。そのようなプロジェクトでは、表現が用語ベースに含まれている場合、用語ベース内の翻訳を使用することを求められています。

用語ベースは、memoQを使用して管理できるさまざまなリソースタイプの1つです。

memoQでは、簡単且つ実質的な用語集管理が行えます。用語ベースは翻訳者とレビュー担当者の必要性を十分考慮して設計されています。memoQの用語ベース機能について、以下に一覧を表示します。ここでは、このトピックの他のセクションで説明されているmemoQの用語ベース機能の一覧を示します:

  • ローカル、オンライン、およびオフラインの用語ベースを設定してアクセスできます。
  • memoQでは、各用語ベースエントリに豊富な情報を保存することができます。
  • memoQプロジェクトでは、1つまたは複数の用語ベースを使用できます。
  • memoQの用語ベースは多言語に対応しており、プロジェクトに用語ベースを追加する際には、必要な言語がすべて揃っていることを確認します。
  • 翻訳を入力中に、memoQは現在のセグメントの用語を自動的に検索し、翻訳エディタを離れることなく新しい用語を追加することができます。
  • リモート(サーバーベース)の用語ベースは、レビューすることができます。これは、用語管理者が新しいエントリの追加を公開する前に承認することを意味します。
  • memoQの用語ベースエディタで用語ベース全体を確認・編集することができます。
  • 用語ベースを他の翻訳ツールに転送したり、他のツールから用語ベースを受け取ったりできます。用語ベースをにエクスポートしたり、CSVなどの表形式のテキストファイル形式から用語ベースをインポートしたりできます。

ローカル、オンライン、オフラインの用語ベース

物理的な保存場所によって、memoQは3種類の用語ベースを識別します。

  • ローカル用語ベースは、ユーザーのコンピュータに物理的に存在します。
  • オンライン用語ベースはリモートコンピュータ上にあり、インターネットまたはローカルネットワーク経由でアクセスできます。
  • 同期化されたオンライン用語ベースは、上記2つを組み合わせたものです。最初のコピーはリモートコンピュータ上にあり、インターネット経由でアクセスができますが、使用しているコンピュータ上にもコピーがあります。何らかの理由でインターネット接続ができない場合には、その用語ベースを使用して作業することもできます。再びインターネットに接続すると、オンライン用語ベースとローカル用語ベースが同期されます。つまり、オンライン用語ベースはオフラインで追加された新しい用語で更新され、ローカル用語ベースはオンライン用語ベースの内容の変更で更新されます。

多言語用語ベース

memoQの用語ベースは、多言語です。用語ベースのエントリは、1つのソースとターゲット言語に制限されていません。用語は、エントリ内でいくつの言語に対してでも登録できます。

エントリの構造や実際の用語がどのように含まれているかについては、用語ベース:エントリーの内部を参照してください。

用語ベースには、特別な言語設定があります。用語ベースを作成する際、用語ベースに含める言語を選択できます。

  • リソースコンソールで用語ベースを作成する際、任意の言語を選択できます。
  • プロジェクト内で用語ベースの作成を開始した場合 (プロジェクトホーム用語ベースペイン)、memoQは自動的にプロジェクトの言語を選択します。その際、追加の言語も選択できます。

既存の用語ベースにおける言語の追加と削除

用語ベースに後から言語を追加することもできます。このためには、次の3つの方法があります:

  1. リソースコンソールを開き、用語ベースに切り替えます。変更する用語ベースを選択し、用語ベースのプロパティダイアログボックスを表示し、追加する言語を選択します。
  2. 編集する用語ベースを開き、プロパティをクリックします (リソースコンソール > 用語ベースまたは用語ベースリボンタブ)。追加する言語を選択できる用語ベースのプロパティダイアログが表示されます。
  3. 用語ベースにはないターゲット言語を含むプロジェクトに用語ベースを追加します。この場合、現在のプロジェクトのターゲット言語のみを追加できます。

用語ベース vs ソース/ターゲット言語

プロジェクトに用語ベースが含まれていない場合には、設計されているソース言語とターゲット言語はありません。

反対に、memoQプロジェクトで用語ベースを試用する際、memoQはプロジェクトのソース言語のエントリを参照し、プロジェクトのターゲット言語の1つに対して結果を表示します。

用語ベースを特定の言語用にするには?

memoQでは、プロジェクトは1つのソース言語と1つ以上のターゲット言語を持つことができます。用語ベースは、プロジェクト内のすべての言語をサポートしている場合に、プロジェクトで使用できます。

しかしながら、その用語ベースに以下が含まれている場合、プロジェクトに対して利用可能な用語ベースが一覧表示されます。

  • プロジェクトのソース言語
  • 1つ以上のターゲット言語

    一致する言語を検索する際、プロジェクトでニュートラル(中性)な言語が使用されている場合、ロケール固有(地域固有)の言語が認められます。言い換えれば、プロジェクトのソース言語が英語 (中立)である場合、memoQは用語ベースに英語 (英国)があるが、中立の英語がない用語ベースを受け入れます。

プロジェクトに複数のターゲット言語が含まれている場合に、すべてのターゲット言語を含んでいるわけではない用語ベースを選択した場合、その旨表示され、不足している言語を用語ベースに追加するよう促すメッセージが表示されます。

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たとえば、ソース言語として英語を、ターゲット言語としてラテン語とドイツ語を設定したプロジェクトを作成する場合、英語とラテン語のむを含む用語ベースを選択すると、ドイツ語も追加するようメッセージが表示されます。

重要:多言語プロジェクト (複数のターゲット言語を持つプロジェクト) は、project managerエディションでのみ使用できます。

用語のルックアップおよび追加する際の用語ベースの処理方法

用語をルックアップする際、memoQでは中性言語やロケールまたは地域固有の言語であるかが考慮されます。ソース言語が英語 (英国)の場合で、用語ベースに英語(中性)または英語 (米国)のみが含まれている場合には、ルックアップする際にこれらの言語が使用されます。

しかし、翻訳グリッドから[用語の追加]リンクを選択すると、memoQは中性と地域固有の言語を別の言語として処理します。ソース言語と現在のターゲット言語の両方が、同じ地域固有の変数を持つ用語ベースに含まれている場合にのみ、新規の用語ペアを追加できます。不足している場合には、それを追加することを促すメッセージが表示されます。

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たとえば、プロジェクトのソース言語が英語 (英国)の場合で、その用語ベースに中性英語のみが含まれている場合、英語 (英国)を追加するようメッセージが表示されます。

レビュー済み用語ベース

リモート用語ベースと同期化されたオンライン用語ベースは、複数ユーザーによって同時に使用されます。このような用語ベースには2つのタイプがあります:

  • レビュー済みでない:用語ベースを使用して作業するすべてのユーザーは、レビュー済みでない用語ベースに新規用語を追加できます。
  • レビュー済み:用語ベースを使用して作業するすべてのユーザーは、レビュー済み用語ベースに新規用語を追加することを提案できます。ただし、これらの用語は、用語管理者による承認を得るまで、翻訳ヒットとして表示されることはありません。新規用語を直接追加できるのは、用語管理者のみです。ユーザーによって用語が追加されると、追加したユーザーは、その用語を追加した瞬間から、ローカル用語ベースに追加されたかのように、用語をすぐに参照できます。

    注意:QTermを使う場合は、memoQ用語ベースをQTerm用語ベースに変換できます。しかし、レビュー済み用語ベースではこれを行うことはできません。